名盤シリーズ#4 & #5

水曜日, 7月 9th, 2008 @ 15:41:09 | blog

しかし、見事に夏ですな。

これほど梅雨と夏との境が鮮やかな年も珍しい。

この余りに早い夏の到来も、温暖化の影響の一つかと思えば、素直に喜べないのぉ〜・・・・

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さて、本日の名盤は2枚同時だ。アーティストは同じリトルフィート。しかも、発表時期も並びで近い。

しかし、プロデュースとエンジニアが違う。・・すると、これほどまでにサウンドは変化する、という好例だ。

まず、#4の『ラストレコードアルバム』は、プロデュースをバンドリーダーでありリードボーカルでもあるローウェル・ジョージ。エンジニアにジョージ・マッセンバーグ。

#5の『タイム・ラヴズ・ア・ヒーロー』は、プロデュースにテッド・テンプルマン。エンジニアに、彼のお抱えとも言えるドン・ランディー。

基本的には、二つの作品とも70年代アメリカウエストコーストを代表する名人エンジニアによって仕上げられており、同じ傾向のサウンドを持っている。

まず、アメリカらしい乾いたサウンドであるということ。ドラムスを中心にどっしり据えて、左右にギターを配置。真ん中には、ピアノがステレオで広がっている。

しかし、この二つの作品の持つ雰囲気はかなり違う。

勿論、曲調の違いが1番なのは間違いないのだが、サウンドカラーの違いも見逃せない。

1番大きな違いは、エコーの使い方。ジョージ・マッセンバーグの方は、ほとんど使っていないといって良い。

ボーカルに薄く暗い感じのプレートリバーブが使われているのみだ。

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全体的にEQの使用も控えめで、ジョージらしく非常にハイファイではあるが、派手さはない。

反対にドン・ランディーの方は、リバーブもEQも、使い方が派手だ。ボーカルは勿論、ギターやピアノにもかなり深くかかっている。しかも、プレートリバーブをEQでハイ上げしたようなきらめきのある派手なエコーサウンドになっている。

この人の好みなのかプロデューサーのテッド・テンプルマンの趣味なのかは分からない(この二人は常にコンビだから)が、ドンが担当したアーティストは、全て同じように仕上げられている。

面白いのはリトル・フィートやドゥービィーズ、せいぜいニコレット・ラーソンのようないわゆるウエストコーストサウンドのアーティストなら同様でも分かるのだが、バン・へイレンや、モントローズのようなハードロック勢にも全く同じ手法を用いている点だ。よっぽどお気に入りなのか、頑固なのか・・・

マッセンバーグの方は、プロデュース違いという例では、同じ時期に担当していたアース・ウインド・アンド・ファイヤーという好例がある。

1番の違いは、ボーカルの処理だろう。多分、プロデューサーのモーリス・ホワイトが ボーカルだったためだろう。

リトル・フィートでも、ボーカルであるローウェルがプロデュースしているため、最も大きな違いがボーカル処理に現れている。

ローウェルのサウンド傾向は、こうして聴いて見ると、非常に普遍的というか、オーソドックスというか、本人の持つ破天荒なイメージとは正反対の 、あくまでも曲重視というか、ナチュラル指向なのが聴いていて分かる。

反対にテッド&ドン組は、かなり自由にやっているというか、曲に応じて大胆なサウンドメイクを行っている。

特に、Old Folks Boogieとかでは、実はハードロック大得意のドンのアンビエンス+リミッター技が炸裂している。

しかし、こうして改めてこの2枚を聴いてみると、本当に素晴らしくてため息が出る。

それに、バンドリーダーでコンポーズの中心だったローウェルと、どんどん力をつけてきたポール・バレルやビル・ペインとの作風の違いが顕著になってきているのが手に取るように分かる。

事実上、タイム・ラヴズ・ア・ヒーローが最後のアルバムになったのもうなずける。

当時から、そのタイトルの意味が論議されたラスト・レコード・アルバムは 、文字通り、ローウェル最後のオリジナル・プロデュース作品となった。・・・まるで予言していたかのように。

かくて、天才は早く召される。・・・残念。

改めて70年代というのは本当にロック黄金時代だったんだな〜と再認識したのだった。

 

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