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チューブマイクまとめ

11月 01, 2014 in blog

史上最大にサボっちまった。

前回までご紹介したチューブマイクたち。その後も、様々な製品を試聴続け、結局9月までに全部で14種ものマイクを様々な形でテストし聴いた。その目的は、『最高のボーカルマイクを探せ ! !』

その全部をまとめて僕なりの寸評を残しておこうと思う。あくまで、僕の感じた評価なのであしからず。

しかも、凄く長いです。では参りましょう。

tubemic1.jpg No1  TELEFUNKEN  R-F-T AK-47 MkII

これは、かつてドイツにあった有名老舗エレクトロニクス企業Telefunkenが発売していた名マイクを現代に蘇らせるべく、アメリカで立ち上げられた別メーカーの製品。その名の通り、伝説のノイマンU47をモチーフにしたマイクのようだ。

さてさて肝心のサウンド。都合で男性しか試せなかったが、想像していたものよりハイエンドがかなり出ている感じ。10Khzあたりが持ち上がっていて、声の輪郭やシビランスがキツい感じがする。ふくよかな感じは少ない。
ポップなアコギには好印象だった。約20万円也。

No2 AKG C12VR

これも60年代の超名機、C12の現代版。元祖の方は、その昔地球規模で行われた大チャリティーショー、USAフォーアフリカのクライマックスとして製作されたオールスターキャストによるテーマソング『We Are the World』レコーディング時に全アーティスト用のマイクとして使用されたことで非常に有名になった。僕もその時にこのマイクを初めて知り、そのものすごく抜けの良い音質が忘れられなかった。(実際の録音使われたものかは不明。この時見たのはあくまで撮影用かもしれないから)

そんなうんちくよりC12VRのサウンドはどないやねんちゅう話。
中域から高域に関してはイメージ通りすーっと何処までも伸びてゆく様な伸び。嫌らしさやギリギリ感はまるでない。でも、人によってはちょいキツかも? で、低域が、どーんと膨らんでる。100位からもっこり上がってる感じ。特に男性はロー出過ぎかも。中域は、AKGらしく全くスムース。約50万円也

No3  BRAUNER VALVET

Brauner(ブラウナー)とは、多分、90年代末くらいから出てきたドイツ製のマイクメーカー。
そのフラッグシップモデル VM-1は、登場と同時に業界を席巻した。そのサウンドは、何処までも伸びやかで艶やか。そして真空管マイクらしく暖かい。。。。らしい。僕は残念ながら聞いたことない。確か、当時、ミスチルあたりのエンジニアだった中村氏が所有し絶賛していた記憶が有る。

で、VALVET。そのVM-1のサウンドを継承し・・・と、説明にはある。が、前に説明した通り、実に個性的なキラキラサウンド。
極美サウンドと言っても良い。あんまり褒めているわけでもない。要するに、原音とはかなり異なる音である。ただ、これが好きな人にはたまらないサウンドになるかも、といった魅力があるマイクだと思う。約35万円也。

No4  BLUE BOTTLE

ラトビア産のチューブマイク。このマイクが登場した時も、ニュースタンダードとして、その話題は業界を駆け巡った。
僕は、指をくわえて見てるしかなかったが。
当時、すべてラトビアで手作りで造られていたこのマイクも、成功と同時に大掛かりな生産体制になったようで、製造工場がアメリカへ、そして最近では遂にチャイナになったというような話も聞く。同時に、品質の低下も。

だが、価格は変わらない。そのサウンドは、外見からのイメージとは大きく離れた細い音。

僕が聴いたモデルは、ヘッドがB6だったと思うので、他のヘッドに代えると、また違ったサウンドになると思うが、この大きさと価格、そしてサウンドでは購入意欲は湧かなかった。約60万円也。

No5 Neumann M-149

キング オブ スタジオマイク といっても過言ではないNeumann(ノイマン)社のフラッグシップモデル。
憧れ続けていたマイク。一番期待したマイク。どんなスンバらしいサウンドが飛び出てくんのか? まさに涎もんだった。

結果は・・・勿論素晴らしいマイクに間違いなかった。・・・・が、しかし・・・・感動が無かった。。。。

なんでだろう? 今でも不思議だ。なんか冷静に聞けてしまった。ふーん、普通に良いな・・・ン?ちょっと中高域にクセがあるかな? みたいな・・・何にも問題ない。とても良いサウンド・・・でも、感動しなかった。オレって変? 約45万円也。

No6 PELUSO 22 47 SE

メイド イン USAの新興チューブマイクメーカーPeluso(ペルーソ)のノイマンU47のレプリカ3種のうちの真ん中のグレード。
非常にナチュラル。優しいサウンド。変なクセ等などまったくない。ただ、それゆえ、ロックやポップス等の激しいサウンドには埋もれがちな感じ。

ただ、柔らかいバラードや、ナチュラルなアコースティックサウンドでは素晴らしいのでは、と思う。僕の中では最大のNo2候補。
(なんやねんNo2候補って?!)  約27万円也。

No7 PELUSO P-67

ノイマンU67のレプリカ。これまた伝説のビンテージマイク ノイマンU67に挑戦した一品。
僕はオリジナルを知らないので、似てるのかどうかは知らないが、普通に良いマイク。10Kあたりと、150あたりにプレゼンスを持つ、いわゆるU67っぽいといわれるサウンド。基本的にはナチュラルなサウンド。ロックボーカルにはピッタリだと思う。約29万円也。

No8 PELUSO 22 47

これは、上記の22 47 SEの下位機種。
オンにするなり一聴の元にわかるSEとの違い。ゲインがデカイ。音が硬い。柔らかなSEとは、かなり印象の異なるサウンド。

パワーのない人、声が丸い人には良いかも。約20万円。

No9 LAUTEN AUDIO HORIZON LT-321

これまた新しめのチューブマイク。これはサンレコか何かに掲載された何処かのエンジニアが、Neumann U67に驚く程に似てる ! !
と、絶賛していたので取り寄せてみた。

P-67同様、ハイ・ローにプレゼンスがあるのがその理由なのだろう。P-67に比べ、そのポイントがずれた感じ。ハイは若干下にローは若干上に。そして、そのピークをより強く感じた。真空管マイクとしては、破格の約10万円也。

No10 LAUTEN AUDIO OCEANUS LT-381

まず、その巨大さというより太さ、そして重さにビックリする(普通のK&Mならおじぎ必至)。サウンドは、対照的にすっきり優しいサウンド。これといったピークや特徴は感じない。むしろそれが良いところだと思った。これまたハイコスパ、約17万円也。

No11  LAWITT LCT940

元AKGのスタッフとチャイニーズが組んだ新興メーカー。当然、中国製。その外観は、充分な頑丈さとモダンなデザインを併せ持つ。

ボディの真空管が綺麗だ。そして、新鋭ブランドらしく、そのウリは、真空管とFETのハイブリット。どちらのサウンドも単独で、あるいは混ぜても出力できる。実にモダンだ。さてさて、その肝心の音とは。

ちょっと聞くと・・・他と比べるとかなり地味。周波数的には上から下まで満遍なくある。特に低域に太さを感じる。

がしかし、僕はマイクに測定器のような正確さを求めているわけではない。 何か、プラスアルファの魅力、色気、のようなものを求めている。特に真空管マイクには。それでなかったら、別に真空管である必要は無いと思っている。

残念ながら、このマイクには、それをあまり感じなかった。17.5万円也。

No12 PELUSO P-49

またまたPeluso。僕がかなりこのメーカーに期待しているのがわかると思う。これまた伝説の名機、Neumann M49のレプリカ。
勿論、僕は本物を知らない。ただ、キングオブボーカルマイクロフォンの異名を持つM49のレプリカということで期待も最大値。

で、そのサウンドは・・・・うーん、ハイローが上がってないおとなしめのサウンド。相対的に2Kあたりが目立つ感じ。
ナチュラルと言えばそうだが、それなら22 47SEに一票。約27万円也。

No13 Miktek CV4

これまた新しめのメイドインUSAメーカーのお品 。廉価であることと豪華な外観が魅力である。

肝心の音は・・・ちょっと硬くて細い感じがする。 ELEFUNKEN  R-F-T AK-47 MkIIに似た感じ。約16万円也。

No14 Miktek CV3

同じメーカーのチョイ下の価格帯の製品。僕は、こちらの方がCV4より好きだ。よりフラットな感じがする。
しかし、やはり、10Kあたりのピークが耳につくし、中域の解像度にも不満が残る。約10万円也。

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とまぁ〜、駆け足で雑感を述べさせてもらった。あまり好評価が無いように見えるのは、それだけ僕が真剣だったからだ、と解釈頂きたい。

フォローするわけでなく、それぞれ皆、素晴らしいマイクには違いない。ただ、求めているものに合うか合わないかが問題なのだ。

結局結論としては、この中には僕が欲するマイクは見つからなかった。

一つ、Pelusoのマイク、特に22 47SEにはかなりの魅力を感じたが、何か、もの足らないものがあった。

というのは、これらのマイクとともに、うちにあるNeumann U87Ai、AKG C-414ULS(EBリイシュー)、Bock Audio U195とを比較しながら試聴を繰り返したのだが、これらを完全に凌駕し、おおーっ スンゲェーとはならなかったからだ。

そもそも、何故、これだけのマイクを集めたのか?

それは勿論、U87Ai他のうちのマイクにモノ足らなさを感じていたからだ。

これらは、さすがに業界定番なだけに、実に使い易く安定のサウンドを誇っていて、別に仕事上何も困ることは無い。

しかし、ボーカルに限って言えば、これらだけだととても必要充分とは言えず、しかも、何かスペシャルな感じが不足している。

世間では、ボーカル録音の多くに真空管マイクを使用しているという。ならば何とか、現実的な価格で使えるものは無いのか? というのが僕の動機なのだ。

最後に、これら大量の製品をまとめ手配して頂いたヒビノ株式会社の藤村様、そして、これらの素晴らしいマイクのデモ機を提供して頂いた、各々代理店の皆様に、この場を借りて、深く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

これに懲りず、今後ともよろしくお願い申し上げます。

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その後、結局僕は、3本のマイクを購入した。その話はまた次回。

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