Archive for 4月, 2014

 

チューブマイク祭り その2

4月 21, 2014 in blog

またまた開いてしまった。

がんばって続きを記しとこう、自分の為に。

さて、前回試した、Neumann M-149、AKG C-12VR、Blue Bottle、Brauner VALVET、四本のうち、残したノイマンとブラウナー二本に、今回大注目のニューブランド、Pelusoの22 47SE & P-67の二本加えた四本で、更に検証を続けた。

Pelusoとは、2002年アメリカに設立された新しいマイクロフォンメーカー。詳細はサイトを見て頂くとして、簡単に機種説明。

22 47SEとは、型番から分かる人にはぴーんと来るように、ビンテージ名機ノイマン U47を手本としたチューブマイク。写真では、真ん中下のヤツ。売価、約25万円也。

U47とは、戦後間もない1946年に製造開始された伝説のチューブマイク。
クラシック録音は勿論のこと、40年代〜50年代のシナトラに代表されるジャズブームにおいても、続く60年代のビートルズの時代でも、それら録音現場殆どでU-47が使用された。というくらいの名機。

P-67とは、これまた型番のとおり、 Neumann U67をモデルとしたチューブマイク。
写真では、左の横向いてるヤツね。売価、約28万円也。

U67とは、型番が示す通り、名機U47の後継機種として1960年代に登場。瞬く間に世界中のスタジオに納入された。

67は、当時日の出の勢いだったロック録音に非常によくフィットし、ボーカルは勿論のこと、ドラム、ベース・ギターアンプ等々、何にでも素晴らしいパフォーマンス発揮した万能マイクとして有名。

ま、いずれもビンテージの超名機としても、現在においてさえ最高のスタジオマイクロフォンとして君臨している。

tube_vo_2.jpgとはいっても、残念ながら、僕は、この超名機のサウンドを知らない。見たことも無い。(涙)

※正確には知ってる、数々の名盤で。

例えば、数えきれない程聞いているビートルズのボーカル殆ど、今でも最も好きなボーカルサウンドの一つヘレン・メリルの 『When I Fall in Love』等はU47で録られていると思うし、70年代以降のロックボーカルの多く、そして日本でも山下達郎さんの多くのボーカルがU67で録られている。

田舎もんなんだからしゃーない、と開き直るしか無い程の高嶺の花。

で、そんな世界中の田舎もんの為に、Peluso様が、それに限りなく近いもんをリーズナブルに作っちゃやろうやないけ!

と、男気を出してくれたのかどうかは知らんが、作ってくださったのが、22 47SeとP-67だ。

ありがたや〜ありがたや〜。

オリジナルを知らないことは、別にこの際大した問題ではない。要は、僕がイメージするスンバらしいサウンドが出てくれれば良いのだ。

さてさて、やっとこ本題。

引き続き、ロックバンド『Box Note』のボーカル朱鷺君に協力してもらいながらテストした。

まずは22 47SE。

ほぉ〜・・・・とっても自然なサウンド。何の誇張感も無い。そして美しく暖かでスムーズなサウンド。

凄く好きな音。勿論、チューブらしいファットさやハイのチリチリ感も程よい。

ただ、あまりにナチュラルすぎて、速いテンポのロックサウンドの中では埋もれがち。

で、P-67にスイッチ。・・・・・・むむむむむむむ。

噂に聞くU67サウンドの特徴、ザラッとしながらも痛さの無いハイ、豊かでありながらブーミーにならないロー!!

そのまんまじゃん!! とりあえず朱鷺君にはバッチリハマったので、そのまま録音。

少しスローな2曲目は22 47SEで行くかなと思ったが、結局67で録った。

あれ、M-149もVALVETも忘れてる!!??

(後日録音した女性ロックバンドのボーカルでも、テストの結果P-67が最もフィットした)

という訳で、今回のロックバンドボーカル録音編では、Peluso P-67の独壇場だったわけだが、その後、僕自身による、約8時間に及ぶねちねちチェックの結果を次回報告しよう。

ではまた!!

チューブマイク祭り その1

4月 10, 2014 in blog

かなり間隔が空いてしまったが、前回の予告通りのチューブマイク祭りの報告。

常に、欲しい機材のリストが頭の中で溢れまくっている僕だが、その優先順第一位がチューブマイクだ。

以前に書いたこともあるが、僕の中で常に飢餓感があるのが、スペシャルなボーカルマイクだ。

勿論、声というのは千差万別で、どんな声でもOKというマイクは存在しないことは知っている。

今のところ、僕がボーカルに使っているマイクは、ノイマンU87ai、AKG C-414ULS、Bock Audio U195、Microtech Gefell UMT 70 S、Shure SM57あたり。中でも、U87AiとC-414二本で、8〜9割は占めていると思う。

大きな不満があるわけではない。 しかし、ネットを眺めていると、皆さん持ってる持ってる・・・

ホント、東京の大スタジオにしかなかったような高級ビンテージマイクですら、東京以外のさほど大きくない(失礼)スタジオさんでも当たり前のように持ってる。

一応、この仕事で30年食ってきたのであるが、プロと名乗るのが恥ずかしくなるほど、うちには高級マイクが無い。(ちょと前まで、U87とC414があれば、それで良い感じだったけど、最近皆さんホントに持ってらっしゃる)

それに何より、元々ボーカリストだった我が身とって、これがあれば安心、といったスペシャルな存在感を持ったマイクが欲しいのだ。

やはりそれは、必ずやチューブマイクの中にあるのではなかろうか? という長年の思いを叶えるべく今回は、全部で9本のチューブマイクを取り寄せ、徹底的にテストしてみた。
(ヒビノのF氏、いつもいつもありがとうございます)

今回は、あくまでボーカルにこだわりたいので、ボーカル以外ではアコギしか試さなかった。

勿論、ビンテージなんてもってのほかなので、全て現行品の中からセレクトした。

で、まずはレコーディング中だったバンドさんでテスト。

tube_vo_1.jpg写真のように、AKG C-12VR、Neumann M-149Tube、Blue Bottle、Brauner VALVET、の4本でテスト。Mic PreはRupert Neve Designs Portico 5024。

まず左の緑のボディと金のメッシュグリルが美しいAKG C-12は、とてもスムーズなミッド、豊かなローエンド、充分伸び且つ、少し盛り上がったハイ。好印象だが、ボーカル君の声は、ロックバンドらしく少しざらついていて高域の倍音が多い声。8〜10Kの盛り上がりが痛い感じ。Maid in オーストリア、売価で約50万円也。

真ん中上のぶっといNeumann M-149Tube。実は大本命。 わくわくしながらチェック。。。。
普通に良いが・・・・意外に普通。思った程のチューブ感も無いし、思った程フラットでもない。2〜3Kあたりに若干のクセがある感じ。 勿論良いんだけどね・・・期待感が半端無かった分ね・・・・
勿論ドイツ製、売価は約45万円也。

その下の、巨大な青マイク、Blue Bottle。近年ものは、とみに評判がよろしくないのだが、何と言っても、この後紹介するBraunerと並んで現代の名品、 将来ビンテージ名機間違い無しといわれるものは聞いて損無しということでチョイス。

これは・・・うーん、評判通りだね。見てくれから完全に裏切られるホッそい音。ハイがギスギスしていて薄いロー。他にいろんな交換ヘッドもあるので何とも言えない点もあるが僕的には無し。Maid in ラトビア、なんと売価約60万円也。

最後に右のBrauner VALVET。今回、これと同社のフラッグシップ機 VM1も頼んだのだが、何と、うちの前のデモ貸し出しの際壊されたそうで(買い取り弁償なんだろうか??? 売価約70万円!!!)、残念ながらVALVETのみ到着。

VALVETは 『真空管マイクの最高峰Brauner VM1をベースにしています。VM1同様の、極めて透明な音質と優れた空間表現力、ウォームかつナチュラルなサウンド、これらを小型ボディで実現しました』
と、メーカーサイトに紹介されている。

実際は・・・かなりクセのあるサウンド。いや、悪い意味じゃないよ。とにかく強力なサウンド。他とは一線を画する。確かに、透明でウォーム且つナチュラルとも言えるが・・ミッドから上の押し出し感が半端無く、ハイがキラキラしている。(好きな人はタマランと思う。つまり好みが分かれる音)
声量の無い柔らかい声質の女性シンガーなんかにはバッチグーなんだろうけど・・・売価約35万円也のドイツ製。

結局、決め手に欠けたまま、M-149とVALVETを残し、第2チームのテストに進んだ。

次回に続く。