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シレンとラギ

6月 18, 2012 in blog

exp1340096710-2.jpeg前回の予告通り、劇団新幹感線の『シレンとラギ』を観るために、先週金曜朝に東京へ発った。

その日は、お世話になってる方へ挨拶へ伺い、夜は親族で宴会。

翌日土曜、青山劇場0時30分開場。この日は小雨模様で寒かったので、半袖しか持って行かなかった事を後悔した。

で、13時ジャスト。定刻通りにいきなり始まった。本ベル等無かった。

オープニングは、いのうえさん(演出)の押し曲であろうヘヴィメタが3分以上続く。(恐らく、ジューダス・プリースト)

内容とは一切関係ない 完全なる趣味の世界な感じ・・・・しかし、僕がここで、ふ〜ん、と思ったのは、その音量。

新感線というと、必ず言われるのが爆音。・・・ビックリされると思いますが・・・・みたいな事を必ず関係者の方から言われるほど。

・・・・・話は遡るが、僕が初めて見た新感線の舞台は1994年?の青山円形劇場で観た『スサノオ』だ。

仕事で上京した際、日頃お世話になっていた舞踊家の川崎悦子さんにご挨拶に伺った折、彼女が振り付けを担当していた同作品に誘って頂いたのだ。

当時、CBSソニーからデビューしていた地元の後輩、ミッキー(バンド Boldのボーカル)を連れて観に行った。

青山円形劇場も初見。キャパ約300名。とても小さな箱だ。名前の通り、円形のステージをぐるりと客席が取り囲んでいる。どこから観てもカブリつきだ。

やがて客電が落ち・・・まさに漆黒・・自分の手のひらも見えない・・・と、突然、凄まじい爆音のヘヴィメタとド派手な照明でスタート。

まさに度肝を抜かれたね。

正直、それまで演劇というものには全く興味なかった。というより、むしろ嫌いだった。

何か地味で、当たり前のことを小難しく言う妄想狂の集まり・・・みたいなイメージ。おまけに華が無い・・・
(そんなものしか観た事が無かったというのが正解)

ところが、『劇団☆新感線』は違った。まさに対極にあるくらい違った。3時間はあったと思うが、あっという間だった。

とにかくオモロいし、疾走感があってカッコいーし、ホロッとくるし、出てる人誰も知らなかったが何か華あるし・・
舞台に必要な物が全部あるって感じだった。

生声の台詞と、爆音のヘヴィメタが入れ替わり立ち替わり、鼓膜が慣れる暇もありゃしない。

つまり、お客の事等おかまい無しの大音量だったのだ。僕には当然の事ながら普通の音量だったけどね。

これは嬉しい誤算であり、こんな劇団があるのであれば、演劇も捨てたもんじゃねーな〜・・っと偉そうにも思った次第でありました。

まっ、その日から『劇団☆新感線』のファンになっちまった訳だ。

ところが、2002年、福岡の郵便貯金で観た『花の紅天狗』では、ビックリする程音が小さくなっていた。

そういえば、99年に、やはり福岡であったホリプロプロデュースの『西遊記』のパンフに 、演出のいのうえさんが、新感線の内容演出(当然音量も含む)の批評に対する思いを書いておられた。

まっ、相当叩かれていたようだった。それを慮ってのボリュームダウンだったのだろうか・・・・等と、当時の僕は『花の紅天狗』を観ながら思ったのだった。。。。

exp1340096711-2.jpeg恐ろしく長い前振りすんません。で、今回の『シレンとラギ』のオープニング。

そのヘヴィメタは、始め、極普通の音量でスタートした。BGMレベルよりも少し大きいくらいの。

僕は内心、少しがっかりした。やはり、あのままなのか・・・・

ところが、徐々に徐々に、まるでお客の耳を慣らして行くかのごとくのスピードで音量は上がって行った。一般の人は気付きさえしなかったかもしれない。そして、ロックライブには及ばないものの、かなりの大音量に達した時、その幕は切って落とされた。

痺れるねぇ〜。。。。色々試行錯誤して、ここに至った・・・みたいな。長い曲時間にもちゃんと意味はあったのだ!!・・・多分

内容は、下敷きとなったという南北朝の話はほぼ関係なく、暗殺、謀略、裏切り、だけでなく、近親相姦、男色・・・

もうドロドロのズブズブ。人の悪行を煮詰めたような内容とでもいうか・・・・

それでも、どんな罪深き人生も 一片の希望を頼りに生きて行かねばならぬ人の業をテーマとした・・・かなり重めのダークな人間ドラマだった。

とはいっても、そこは新感線。決して重すぎる事無く、いつものようにギャグもあり(橋本ジュン&古田新太のコンビは、もはや名人ゲイ!?) 、超かっこ良くてスピィーディーな殺陣も有り(新感線初見参の藤原竜也君のかっこよさ美しさに見惚れるね・・・やっぱスターは違うぜ)、とにかくあっという間に引き込まれて、そのまま怒濤のエンディングまで・・・・・てな感じ。

現在、NHK朝ドラに出演中の高橋克実さんも、狂気の教祖を圧巻の存在感と演技力で耳目をかっさらったし、永作博美さんも41才とは思えぬ可愛らしさと透明な美しさ、その小さな体躯から放たれる圧倒的な存在感と凛としたたたずまい。

藤原竜也君にも感じる事だが、スターになる人には、何か不思議な透明感とそれと相反する存在感があって、それが彼らをスターたらしめている気がする。

僕にとっての舞台の楽しみ方はもう一つある。それは、舞台のテクニカル面だ。音響システムはどうなっているのか、照明は、道具は・・・楽しみは尽きない。

特に新感線は、普通の劇団と違いハイテク(特に音響)を駆使する。

今回の舞台である青山劇場はキャパ1200名。

まっ、PA無しにセリフを最後列までクリアに届けるのはほぼ無理だろう。当然、役者陣はすべてワイヤレス装着。

スピーカーは、メインがステージ中の上下に立つ黒く四角の柱(60cm四方、高さ4m位) の中に隠され、補助を上下の花道に設置、何カ所かで使われるサラウンド用に会場の壁埋め込みスピーカーが使用されていた。

いつもの事だが、役者の動きに対するサウンドと照明のシンクロ具合の完璧さにほとほと感心する。。。こうでなきゃね。

道具は、基本、盆(回転舞台)に乗った凱旋門みたいな(実際、スタッフ間ではそう呼ばれているらしい)巨大なオブジェを中心に、その表と裏の道具をチェンジし、回転するたびに場転するという仕掛け。

最近多い抽象的な道具ではなく、あくまでも分かり易いリアルな道具立てで僕は好きだ。

感心したのは、その転換の早さと静かさ。結構な道具チェンジをしているのだけど全く音は聞こえない。素晴らしい・・・・

それと、音楽が素晴らしかった。僕が知っている新感線の劇伴では一番良かったと思う。

音楽の力は凄い。ウルッとくるシーンを音楽の一押しで涙腺を決壊させたり、殺陣の迫力を何倍にも増幅する。

exp1340096787.jpegそして衣装も素晴らしかった。実に豪華で美しい。どこか支那的だったり日本的だったりベトナム的だったり・・・・東アジア全体っぽい無国籍な感じだった。

長崎に居たんではなかなか観ることが難しいこのレベルの舞台。一度は観て頂きたいものです。もしかしたら、人生変わるかも。

さて、肝心の我が娘。何と、ほぼ出ずっばり。(娘は、いわゆるアンサンブルという役所らしく、特定の役は無く、ほぼ全シーンにてダンサーをやったりエキストラみたいな事をやっていた。)

さすがに我が子の姿は見たい訳で、ずーっと追っかけるとストーリーが分かんなくなるしで、けっこう大変だった。

しかし、プロとしての初舞台が『新感線』とは、我が子ながら『持ってる』。

あー・・・・DVDが待ち遠しいの〜。。。もう一回観たーーーーい。

(PHOTO、赤いリンゴを持つ永作博美さんの右後ろ、サーモンピンクの衣装を着てるのが娘。)

何はともあれ、皆々様には大変お世話になっている訳でありまして、本当にありがとうございます。

千秋楽まで無事にがんばってくれよーーーーーーーー!!!!