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真剣試聴!!

7月 25, 2011 in blog

img_1129.jpgたいそうなタイトルで恐縮だが、久々興奮もののブツが入ったのだから仕方ない。

ブツとはこれ!! AVALON DESIGN AD2022。マイクプリアンプね。(ありがとうございます、Mr.Fujimura)

またしてもディープな世界なので、お好きな方だけどうぞ。

このAD2022、僕らの業界では知らぬ人はいない名機 。当然、フルディスクリート、PURE CLASS A 。

ごついアルミ無垢のつまみとその重さ(11.4kg)が、否応無く高音質を予感させる。

(AVALON共通の造りですな・・・)

img_1132.jpgいやらしいが、2chで、ざっと30万円。具体的な仕様は省く。

弊社スタジオにも、同ブランドのvt737spがあるが、これは、チューブ(真空管)のマイクプリ&オプトコンプレッサーと、ディスクリートEQを内包した、いわゆるチャンネルストリップだ。

勿論、これも業界定番の名機だ。

AD2022は、トランジスタの純然たるマイクプリ。機能はこれだけ。

せっかくの聴き比べなので、改めてスタジオにある主なマイクプリと一緒に聞いてみることにした。

1. Avalon Design AD2022  2. Avalon Design vt737sp 3. TL-Audio VP-5051 4. YAMAHA O2R96 5. PreSonus Firestudio 26-26

以上5種。

比べ方は、まず、自分の声、ドラムス三点(キック、スネア、トップ)、スタジオのモニターから音楽を再生し、マイクで拾ったもの、 最後に、無音状態のスタジオにマイクをたてて、比べるもの同士の最大レベルに合わせて、アンプのSN比較。

こんな感じ。

まず、声は、AKG C-414ULSとNeumann U-87Ai、Shure SM-58(`81 USA)でテスト。

顕著な結果が出たのは、やはりコンデンサ2機種。

これは、敢えて、AD2022とvt737spに絞ってみた。現在、スタジオでのボーカル録りは、ほぼ100%737を使うからだ。

2022から、737にチェンジして驚いた。737のサウンドは、フワッとミッドローが膨らんで、ハイに独特なプレゼンスがある。大げさにいうならば、エキサイターが掛かったような・・・・

まっ、737はあくまでも球が売な訳だから、当然色づけが前提だし、決して嫌いな色づけではないし、むしろ、ボーカルにはやっぱりこっちかな? と思わせる色気がある。

対して2022。質実剛健というか真っ直ぐというか、ど真ん中のどストレート165kmという感じ。

引き締まっていて、色づけ感はほとんど感じない。

びっくりしたのは87。これまで、737を通したサウンドは、結構ハイがギラついていて、人によって合う合わないがはっきりしていた。

ところが2022を通した87、 よりフラットな感じなのだ。がつんと声を張ってみても、耳に刺さるような感じは少ない。

ヘッドホンで聴いただけなので何ともいえないが、早く本番でチェックしてみたい。

58は、どっちでもいい感じ。

img_1140.jpgちょっと困ったのはメーター。どちらも全く同じルックスなのだが、反応が全く違う。

同じ入力ゲイン設定にして、声を入れてみると・・・・ ちょっと気になることが・・・・

2022は、恐ろしく神経質に触れる上、針がすぐ張り付く。ピークランプもバシバシ付きまくる。対して737、-3〜5をゆらゆらしてる、ピークランプも無いのでレコーダ側でしかピークが管理できない。

DAW側では、まだ10db位のマージンがあるんだけど・・・・

で、調べてみた。

条件としては、マイクのアウトをパラって両アンプへ入力し、アウトをオーディオインターフェイスに繋いで、DAWの入力メーターで同じレベルになるように、両アンプの入力ゲインを調整する。

声でやると、上記のような結果になるだけなので、1kh信号音を入れてみると・・・・

な〜るね・・・・・同じ入出力レベル時、針は、2022が0を指すとき737は-6を指す。

それぞれの入力を調整して、同じレベルを指すように設定(つまり737を+6してやると、針は0を指す。)

そして、適当な音楽信号を入力すると・・・・両方の針は、全く同じように触れる。

つまり、メーターは全く同じものということね。

しかし、・・・・何で、-6dbなんやろ・・・737・・・・真空管だから?・・・・・・

まっ、いずれにしても、2022で録音するときは、耳とDAW側の入力メーターを信じて、2022の針が張り付こうがピークランプがガンガン付こうが無視して結構、ということだね。

ここは、精神衛生上737の方が使いやすいね・・・

ついでにもう一つチェック。入力を思い切り上げて行くとどうなるのか・・・・・

2022は、ある時点から、急に歪みだす。所謂甘いディストーションではない。バリバリッとした感じ。

対して737、さすがに真空管、決してバリバリいったりしない。サチッて行くのが分かるが、嫌な歪み方はしない、使えるね〜737。・・・・ただ、737で、こんな使い方誰もしないけどね。

(一つ2022の難点。ファンタムが52〜53Vあって、うちの87Aiが使えない。僕は、737からファンタムを送った。)

・・・・・

img_1135.jpgさてさて、いよいよドラムスでの比較。わざわざ、長崎大学のドラマー、M君と、いつもバイトしてくれているN君にきてもらって手伝ってもらった。ありがとーねー。。。

僕にとってのマイクプリ決定打は、ドラムスのサウンドとハイゲイン時の静寂さとサウンドだ。

つまり、ドラムなどのパルシブな音源で、アンプのスピードが分かるし、現実問題、ドラムサウンドこそがバンドサウンドのキモだからだ。

そして、何でも録ることが前提なのであれば、クラシック関係録音等に必要とされる最高レベルの静寂さと、ハイゲイン時のサウンド変化の無さは必須だ。

いつものようにトップにはAKG C-414、スネアにShure SM57、Kickにaudio-technica ATM-25。

で、A・3本ともO2R、B・トップ=O2R、スネア&キック=2022、C・トップ= 2022、スネア&キック=5051、D・トップ=737、E・3本ともFirestudio26-26

以上、5パターンのセットで、同じリズムパターンを叩いてもらいDigital Performerに48kh/24bitで録音した。

いやー実に興味深い結果が出ましたな。

まっ、結果からいうと、やはりというか当然というか、この中では、2022がダントツで突出して良かった。

とにかく前に出てくるし、抜けまくり。同じレベルでも、一歩も二歩も前に来るから、音量が上がったように感じる。

それに、レンジ感が全く違う。上から下まで満遍なくある。

モニターが10M-studioでも、ちょっと離れるとローの下がドスンと出ているのがよくわかる。見えるというか・・・いやー凄い。。。

アタックがかちっとしていて、EQの必要性を感じない。

img_1137.jpgそれに比べるとO2Rは、薄いし狭い。5051は、球らしく暖かいが、やはり狭い。Presonusは、ほぼO2Rなみ。

悪くいうと、やはりのっぺりしているし抜けも今一。(まっ、当たり前。価格差、数十分の一)

兄弟機の737は、さすがに抜けは良いし、サウンドも良い。ただ、やはり、少しミッドローが膨らみ、がしっとした感じは無い。

あれっ、と思ったのは5051。

これは、弊社に来てすでに13年経つ。買った頃、やはり、ドラマーに来てもらってトップとキックで、サウンドチェックしたのだが、そのときの印象は全く違ったものだった。

5051を通したサウンドは、潰れてキックのローがついて来れないもので、正に、60年代風の感じがしたものだった。

それが無かった。(そのときのドラマーは、とびきりのパワードラマーだったからかもしれない・・・そういえば、5051にはPADがない。)

・・・・・・最後にSNテスト。

87Aiをスタジオの真ん中に立てて、それぞれのアンプを聴感にて最高ゲイン付近にそろえ、ただただノイズを聴く・・・・・・・・あ〜なんとマニアな世界。。。。。。。。

あり得ないくらいのゲイン(現実には絶対に使わないだろう)の中・・・・・

えっ???・・・・・・モニタースピーカーで聞く限り、2022、737、5051、O2R、Presonus、ほとんど変わらない。どれも恐ろしく静か・・・・

ただし、737と5051に付いているアウトボリュームは0のままが条件ね。(ここを上げるとたちまちノイズまみれになる)

※ここでは関係ないが、マイクプリ→デジタルアウトは素晴らしい音を聞かせてくれたPresonusだが、アナログアウトはかなり酷い。ヒスノイズが大きいのだ。しかもそれぞれのアウトで差がある。きっと、コストを落とすために切り捨てたかな?・・・

ここでも意外だったのは5051。 こんなにSNが良いイメージは無かった。評判が良いはずだ。

ただ、5051は、そのルックスから来るイメージ(古っぽい)とは違い、いわゆるビンテージの球っぽい歪みというかワイルドなディストーションは決してしない。オーバーロードさせると、徐々にサチって行き、やがてバリっと嫌な音を立てて割れる。

ついでに、2022と737、5051のDI対決。残念ながら、ベースは無かったので比較していない。

ベースでやれば、恐らく2022の圧勝だったと思う。

ので、エレキギターでやってみた。それぞれ音の傾向はマイクチェックと似た感度なのだが、737のDI感度がかなり低い。よってゲインをかなり上げなくてはならず、結構SN悪い。5051、これは感度も高く使いやすい。SNは、2022の圧勝。737は、DI、力入ってないのかな?

なんやかんやとやってみたが・・・・・・結論。

『良い音出すには金が掛かる!!!!』

しかし、 2022が素晴らしかったのは間違いないが、かといって、その他が使えないということは決して無い。

特に、Presonus Fire StudioのHi-CPには驚くばかりだし(僕は、コントローラー付きで7万円以下で手に入れた。)、O2R96も、先代とは比べ物にならぬ進化を遂げたのは間違いない。

とは言っても、全チャンネル2022レベルで録音すれば、当然ながらすごい差が出るわな・・・

トータル・・¥¥¥¥¥¥¥・・・・・ハァ〜・・・ため息しか出ねぇ。

実は、既に実戦投入していて2022の素晴らしいサウンドは実証済み。

これから、しばらく使用してみるので、余裕があればレポートしたい。ではでは!!