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愛機シリーズ 番外編#4 Keeley Java Boost

9月 26, 2008 in blog

長崎人のほとんどはチャンポンを好きだと思う。僕も大好きだ。月に最低、1〜2回は食べる。ひいきの店も決まっている。

そんな僕が、今日は珍しく行ったこと無い店へ行った。つい二、三日前、全国ネットで放送された店だったからだ。

さすがに混んでいるだろうと思い、放送翌日は避け、時間帯もずらして1時半頃に行ってみた。

それでも、おじさんおばさんが5〜6人並んでいた。長崎ではほとんど見ない光景だ。(長崎人は待てない。)
さすがに全国放送は違う。

・・・意外に待たずに中に入る。テレビで見たよりずっと狭い。カウンターで5〜6人。テーブルに2人。二階もあるが、多分、3〜4人だろう。

とにかく、てんやわんや、とはこういうことを言うのだろう。恐らく、開店以来最高の大繁盛に、若い店員さんは完全にパニくっていた。一向にメニューもとらなければ水も出ない。

こんな時はしようがないと諦め、自分で水をつぎ、大人しくメニューを聞かれるまで待った。

隣のおばちゃんは、わざわざ矢上(長崎市東部の町、かなり遠い。)から来たという。同じテレビでも、ローカル番組で放送したって、こんなリアクションは決して無い。恐るべし、マイウー石ちゃん。

ひとしきり片付けものをやっつけて、ようやくメニューを聞かれたので、勿論、チャンポンを頼んだ。

料理は隣で作っているらしく見えない。チャンポンは、思いのほか早かった。

見かけも量も至って普通。僕らが良ーく知っているチャンポンそのものだ。
はんぺんもピンク。スープも、クリーミーな、こってりではなく、透明に近いあっさりした感じ。

食べた。・・・・・普通に美味かった。何となく懐かしかった。・・・昔、よく出前で食べたような味・・・・・ というのかな・・・好きな味だ。

しかし550円というのは安い。・・・お客が引いた頃、また行きます。(場所は大波止)

さーて、よーやく本題だ。

前回、リッチー・ブラックモアやクラプトンが、ブースターを使っていたという話をした。

リッチーが使っていたのは、ホーンビー・キューブというブースターだ。

イギリスで、65年くらいから、わずか数年間だけ販売された、ダラス社のレンジマスターというトレブルブースターと同様のものだ。

これは、いわゆるクリーンブースターではなく、どちらかというとオーバードライブに近いサウンドを持っていたらしい。

cimg1144.JPGムラードOC44というゲルマニュウムトランジスタが肝だったので、恐らく、その構造は、よりファズに近かったのかもしれない。ボリュームダウンの音色変化も似ている。

これはエフェクトというより、アンプの一部として使う感じだった。

つまり、掛けっぱなし。使い方はこうだ。

クランチ状態のチューブアンプに使うことが条件だ。そこに、これを使うと、アンプがサチュレーションしオーバードライブする。そのサウンドは、全くナチュラルでアンプそのものと言える。

ギターのゲインを下げると、直ぐさまクリーンになる。オーバードライブのような音色変化は伴わない。ノイズも少ない。

クラプトンやロリー・ギャラガー、トニー・アイオミ、初期のブライアン・メイ等は、ダラス社のレンジマスターのトレブルブースターを、マーシャル、VOX、ハイワット、レイニー等の質の高いチューブアンプと組み合わせて、あの素晴らしいオーバードライブトーンを生み出していたのだ。

つまり、僕らが大好きだったギターサウンドのほとんどは、実は、レンジマスタータイプのブースターのお世話になっていたことになる。

当然のことながら、当時の僕は、まるで知らなかった。

そんな神秘の機材を、現代風にリファインした上で蘇らせたのが今回のゲスト、“Keeley Java Boost” だ。

cimg1137.JPGその4 Keeley Java Boost 2003年製

まずは、その深いブルーの美しい外観と仕上げにうっとりする。僕は、音の良いものは姿も良い、が持論なので、これは、充分にその条件をクリアしている。

ペダルエフェクターの雄、キーリーの仕事だけに、単なるコピーに終わるはずも無く、単に、突っ込むだけだったレンジマスターにゲイン調整とトーン調整の幅を持たせた上で、トレブル、ミドル、フルレンジ、という三つのブーストモードまで持たせると言う離れ業を披露している。

勿論、心臓部は、オリジナルのムラードOC44。

この定価50.000円を超える機材を、そのまま買える訳も無く、辛抱強く、ヤフオクに安く出るのを待って買った。確か、30.000円位だったと思う。ブラボー・ヤフオク!!

さーて、肝心の音である。

まず僕は、クラプトンを模して、レスポールに繋ぎ、マーシャルで鳴らしてみた。

ところが、何だかファズみたいな感じで、ちっともよろしくない。

がっかりして、しばらく放置していたら、ある日、突然思いついた。

『あっそうかー、当時のアンプは、きっとこんなに歪んでなかったはずだ。』

クラプトンが使っていたJTM45やブライアン・メイのVOXも単体ではそれほど強く歪まない。

ところが、僕の1959は、相当歪む。

そこで、ストラトにして、マーシャルをクランチ状態にして鳴らすと・・・・

来た来た来たーっ!!!! まさにあの音。6弦をミュートしてガッガッガッとやると、まさにクィーンの『Now I`m Here』のイントロそのものだ。

音色もサスティーンも、ギターのボリュームへの追従度も想像したとおりだ。

さすがに、リッチーのサウンドは、アンプがメイジャー200ではないので、ちょっと違う気がするが、1959でも、相当近い線は出る。

・・・・・・・長ーーーい間の謎が、すっかり解けたような気がした。

と同時に何となく寂しさも・・・・謎は謎のままの方が、きっと楽しいのだ・・・・

僕がロックに魅せられた頃、そのサウンドの多くが謎であり神秘のベールに包まれていた。アーティスト自体も、自らのサウンドの秘密を公開することを好まず、そのほとんどを隠していたようだ。

(例えば、リッチー等は、ブースターをアンプの後ろへ隠していた。)

完璧に見えるレンジマスターが、何故あんなに早く市場から姿を消したのかも大いなる謎ではある。

それから、40年近く、ついに登場したJava Boostで、あの時代の再現はより容易になった。

いつか、僕らが学生時代に愛したロックを完全再現することも夢ではないな、思わせてくれる機材だ。