Archive for 8月 12th, 2008

 

名盤シリーズ#7.8.9.10

8月 12, 2008 in blog

暑過ぎてしばらくサボってました。名盤シリーズ、久々の更新です。

だからというわけでも無いが、本日の名盤シリーズは、4枚同時の大盤振る舞い。

70年代初頭、ハードロックと共に音楽界を席巻したプログレッシブロック。

中でも、キング・クリムゾン、エマーソン・レイク&パーマー、ピンク・フロイド、イエス、というこのジャンルでは泣く子も黙る四天王のそろい踏みだ。

トップに紹介するのは、キング・クリムゾンの1969年のデビューアルバム『クリムゾンキングの宮殿』だ。

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1969年 制作

タイトル: クリムゾンキングの宮殿

プロデュース: キング・クリムゾン

エンジニア: ロビン・トンプソン

Recorded at Wessex Sound Studio, London

この作品が発売されたのは、1969年の10月。
それが、翌70年の2月には、チャートのトップに君臨していた、あのビートルズの不朽の名作であり最後の作品『アビー・ロード』を蹴落とし、トップへ躍り出たのだ。

全くの新人バンドでありながらの快挙に、この作品の内容が世界に与えた衝撃の大きさが分かろうというものだ。

僕が、この作品を初めて聴いたのは1974年。中三だった。

一曲目の『21世紀のスキッツォイドマン 』(当時は、21世紀の精神異常者、というタイトルだった。)の歪んだボーカルは衝撃だった。卓のヘッドアンプで歪ませたのか、ファズを使用したのかは未確認だが、つい二、三年前の、歪みボーカル大流行が思い出されるが、1969年には、すでにロックはここまで来ていた。 しかも、圧倒的な次元の高さで。

もう一つ忘れられないサウンドが、『エピタフ』のアコースティックギターに掛けられたリバーブだ。

おそらく、EMTのプレートエコーだと思うが、その深く暗く重いエコーが、ギターの音を、まるで錫杖のように響かせていた。

後に僕は、このサウンドを再現するために、デジタルリバーブを使って、相当四苦八苦したことがあるが、どうにもこうにもこのサウンドの再現にはいたらなかった。

さて、次は、1972年に発表の、イエス『CLOSE TO THE EDGE〜危機〜』

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1972年 制作

タイトル: 『CLOSE TO THE EDGE〜危機〜』

プロデュース: クレジットなし(恐らくイエス自身)

エンジニア: クレジットなし

このクレジットなし、というところが、このアルバムのサウンドの質を物語っている。

初めて聞いたのは、やはり1974年、中三の時。当時も、なんとなくごちゃごちゃした音だな、と思っていた。

30数年ぶりに聞いた本作は、正直、サウンド的にはガッカリものだった。唯一、アラン・ホワイトの ドラムサウンドだけが突出して良い。ドラムのチューニングも含め、実に現代的なロックドラムサウンドになっている。

後は、定位にしてもバランスにしても音質にしても首を傾げるようなところばっかりが耳につく。

この作品は、サウンドで相当損していると思う。それなりのエンジニアによってミックスされていれば、さらに高評価になったと思うのだが、実に残念だ。

サウンドとは関係ないが、僕が中三当時、一時、曲が長ければ長い程偉い、という変な流行があって 、その点、この作品は実に偉かった。なんと言ってもA面に溝が無い!!(A面全部で一曲ということ。)

それと、個人的に、イエスの一連のジャケット・デザインが大好きだった。デザインというより、絵画。それだけでアートだった。

この頃のバンドのジャケットデザインは、実に力作ぞろいだ。この後紹介するEL&Pに至っては、あのギーガーが手がけている。彼は、後にエイリアンのデザインでその名を広く知らしめる事になるスイスの大家だ。

さて、EL&P=エマーソン・レイク&パーマーである。

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1973年 制作

タイトル: 恐怖の頭脳改革

プロデュース: グレッグ・レイク

エンジニア: ジェフ・ヤング、クリス・キムジィー

スタジオ: アドビィジョン・スタジオ(ロンドン)

この作品を初めて聞いたのも1974年、中三だった。

これはショックだった。荘厳華麗な一曲目で幕を開けると、二曲目のトッカータで、まさに脳みそをかき回されるような感覚にたたき落とされ、そこからは一気にラストまで、息つく間も無い43分2秒だ。

このアルバムのサウンドはイエスのそれとは大違い。綿密に計算され尽くしたアレンジに即したサウンドメイクが完璧に施されている。

ちょっとボーカルのリバーブが過多な気もするが、グレッグ・レイクの好みなのだろう。しかし、そのボーカルも、単純なリバーブだけではなく、ショートディレイを駆使した深みのあるもので、この作品にぴったりだ。

特に素晴らしいのは、定位とパンニングだ。これ以上無いほど考え尽くされたアレンジの音一つ一つに、文句なしの場所が与えられている。

面白いのはドラムで、あくまでもジャズ的な録り方がされているようだ。

そう、全体的には、ジャズやクラシックのように、ひたすら自然に録られているサウンドを、ミックスでは、エコーやパンを駆使する事で、よりロック的に仕上げてあると思う

とにかく、あるエフェクトといえば、リバーブとディレイくらいしか無い時代に、よくぞここまで、と思う程、万華鏡のようなイメージすら受けるサウンドだ。ひたすら敬服するのみだ。 しかし、キース・エマーソンは巧い!!

さて、四天王の最後を飾るのは、やはり1973年発表の、歴史的作品。ピンク・フロイドの『狂気』

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1973年 制作

タイトル: 狂気

プロデュース: ピンク・フロイド

エンジニア: アラン・パーソンズ

スタジオ: アビー・ロード(ロンドン)

この余りにも有名な作品をコメントするには勇気がいる。

初めて聞いたのは、1975年、高一だった。

彼ら、ピンクフロイドは、これまで紹介した三バンドとは、音楽的にはかなり趣を異にしている。

前三者は、そのバックボーンに、必ず、ジャズやクラシック、トラッドフォーク等を感じさせるが、PFには、ほとんど感じられない。音楽的には、あくまでも、ロック。それもブルースベースで、よりサイケデリックなロックが、彼らの本質なのだと思う。

では何故、プログレの大家として認識されているのか?

それは、何より、曲の一部としてSEを駆使し、シンセサイザーを他のバンドのように、既存の楽器の代わりとして使用するのではなく、全く新しい楽器として(例えば、現在のループのような)使用した事。

つまり、新しい音楽を創造したからに他ならない。

しかし、この作品を聞いても感じる事は、この時代のエコー(EMTプレートエコー)の、音質の良さだ。

タムに掛けられたエコーの深い事。デジタルリバーブでは、なかなかこうはならない。

また、この作品のエンジニア、アラン・パーソンズは、後に名エンジニアとして名を挙げるが、彼のこの作品への貢献度は計り知れないだろう。SEの製作者として。

やはり、名作の陰には必ず名エンジニアがいる。

当時はレコーディング機材の一大革新期でもあった。全てが真空管(チューブ)製だったものが、特に卓やテレコなどは、オール石(トランジスタ)製へ変貌を遂げた。

お陰で、ビートルズのアビー・ロード等も、それまでのサウンドとガラッと様変わりしている。

特に大きく変わったのが、ドラム等の打楽器のサウンドだろう。ドラム特有の強力なローエンドや、スピードのあるアタックを拾えるようになった。つまり、よりタイトでワイドレンジなサウンドになった。

当時のエンジニアやミュージシャンの多くには、音が冷たくなった、と不評だったらしい。

しかし、この四天王、いずれもイギリスのバンドで、作品の発表は、すべて1969〜1970年代の初期だ。

ビートルズから始まるブリティッシュ・ロックの勢いを、まざまざと見せつけられるような時代だ。

ハマスカ#3

8月 12, 2008 in blog

今年の夏の暑さはたまらんですな。極端に雨が少ないから余計にそう思う。

この季節は、我々の業界の稼ぎ時だ。これでもか、というほど汗をかきながら飛ぶように月日は過ぎてゆく。

はっと気づいたときには既に秋風がそよいでいる。・・・・こうしてまた年を一つ・・・はぁ〜

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お盆前のハマスカ!! 今回のゲストは唐川さん。なんと、北海道は釧路産ときた。釧路と言えば、ほぼ、日本の東端だ。言わずもがな長崎は、ほぼ西端(沖縄を除けば)。その直線距離は1800kmもあるらしい。

まさに、東西をまたにかけているわけですな〜。

しかし、その音楽はかなり密室的。(お宅的? 失礼唐川君。)ビートルズとスペクターサウンドを標榜するだけに、その重層的なアレンジに彩られた楽曲は、ポップ且つマニアック。

意識的に感情を排したような特徴のある歌い方は、なんとなくギルバート・オサリバンを彷彿させたりもする。

もともとドラマーだったという氏の詳しい略歴はよく分からないが、大阪芸大出身と言う確かなバックボーンもあわせ、長崎では数少ないレベルの高い音楽を創作しているアーティストの一人だと思う。

近々、Be-7あたりでもライブをされているそうなので、是非、ご自分の耳と目で、唐川ワールドを体験して頂きたい。