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僕の愛機シリーズ#16 BEHRINGER MDX2000

4月 06, 2008 in blog

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日々、レコーディング&編集に追われまくっておりましたが、何とか一段落尽きそうな今日この頃。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

本日の昼食は、江戸町にある、群来軒。新しめの中華の名店だ。
群来軒は、去年か一昨年まで住吉にあった。自宅の近所なので、開店当時から通っていた。
なんでも、某有名ホテルのシェフの店ということで、当時から話題だった。
今日は、チャンポンだ。ここのチャンポン、いわゆるチャンポンとちょっと違う。
写真では少し分かり辛いが、とても、見た目がきれいなかわいらしいチャンポンだ。エビもイカもぷりぷりだ。
味も同様で、なんか上品で甘い。もちろん美味いけどね。・・好き嫌いが別れるかも?

さて、そんなわけで今日もまた、愛機シリーズ。前回に引き続き、コンプリミッターだ。

※自分でも、機材オタクぶりに辟易しそうだが、愛しているのだから仕方ない。(キモッ!)
まっ、好きな人には分かるこのディープなこの世界。日々、宅録とかバンド活動で悶々としている諸君に、何か、ヒントの一つにでもなれば、という気持ちで書いている。・・・・・・な〜んてね!

コンプには、大きく分けて二つの効能がある、と前回書いた。
cimg1001.JPG というより、本来一つだったのであるが、古い時代に作られたものの中に、偶然に生み出された効能がある。

一つ目は、いわゆる原音を出来るだけ変化させる事なく、レベル管理をしようというタイプ。本来目指すベき方向であるため、ほとんどの機種は、このタイプに属する。
二つ目は、積極的にサウンド変化を起こすタイプ。いわゆるビンテージ機材、と呼ばれる古い機種に多く見られる。よって、非常に高価か、もはや手に入らない。最近、そこら辺をシュミレイトしたものも登場しているが、やはりとても高価だ。

※僕はこの二番目のサウンドを持つコンプが欲しくたまらないのだが、そう簡単にはいかない 。
まず、このサウンドは強烈過ぎて、いつも使えるわけではない。劇薬なのだ。
たまーにしか必要のないものに、ヘタすりゃ数十万円から百万円超もの投資は出来ない。
しかも、PAにはほぼ使わない。
メーカーにしても、同じ理由で積極的には作れないんだろうな〜。10万円ぐらいで、ビンテージサウンドに特化したコンプを出してくれねーかなー・・熱望。

このBEHRINGER MDX2000は、いうまでも無く一つ目のタイプだ。

現在、ベリンガー というメーカーは、安価だが結構使えるメーカーとして、業界でも確固たる地位を築いている。しかし、うちが、このMDX2000を購入した15年前は誰も使っていなかった。つーか誰も知らなかった。

当時、コンプと言えば、PAでは、dbx160x、BSS DPR-402。スタジオでは、Urei 1176&1178、TUBE-TECH CL1Aあたりが定番だった。スタジオ定番はいうに及ばず、モノラルの160xでさえ、定価で120.000円もしたし、402に至っては、400.000円もする高価な機材だったのだ。

たしか、サンレコ(サウンド&レコーディングマガジン)に、大宣伝を打っていて、なんと定価98.000円。
(この頃から、本国設計、中国生産、というラインが一般化してきた。因にベリンガーはドイツメーカー。)

それにまんまと乗せられた僕が、ヒビノさんへお願いして、試聴機を取り寄せたと思う。

届いたMDX2000。まず、ルックスが良かった。分厚いアルミパネル。コネクターも金接点。電源ケーブルも中々の太さだった。 『これは期待できる。』

早速、当時使っていた、dbx160x、BSS DPR402、Drawmer DL-221、と共に、MDX2000を卓に立ち上げてサウンドチェックしてみた。因に、定価で160x=240.000円(ステレオ)、DPR402=400.000円、DL-221=198.000円。

値段だけでいえば、ぶっちぎりだった。ただ、当時でも50.000円ぐらいのものもあった。
要は、サウンドなのだ。

チェックの結果は、予想以上だった。どの機種をも大きく引き離してのぶっちぎりの一位だった。
もちろん、MDX2000がだ。

とにかく、音が良かった。とても自然で、掛かりも素直で、特に、2MIXマスターには、最適と思われた。

意外に悪かったのがDPR402だ。当時のPA業界では、物凄くステイタスの高い機材だったのだが、僕の感想は決して芳しく無い。まず、早く歪むし、コンプすると、ハイが鈍る。160xは、バカちょんで使いやすいのだが、一個しか音がない。221は、かなり良いが、2000に比べると、やはりハイが鈍る。

当然購入決定。しかし、実際に来たのは、それから3ヶ月後だった。さすが外人。

※この後、MDX2000は大ブレイクし、あっという間に業界に浸透した。同時に、それまで、高価なイメージのあったコンプ・メーカーは、こぞって低価格機を発表し始め、数年で50.000円を切るまでになった。
ベリンガーの功績だろう。

それから15年。どんな時も、僕の傍らにいたといっていい。PAのときも、レコーディングの時も。
恐らく数ある機材の中でも、最も使用頻度が高い機材だろう。

まさに愛機と呼ぶに相応しい活躍だ。これまで、入出力メーターが切れた以外はまったく故障知らず。
今もバリバリの現役だ。

このMDX2000。現在、MDX2200となり、価格も、20.000円を切る程になってる。

がしかし、これは外見は似ているが 、全く中身は違う。別物といっていい。
価格以上の差があるといってもいい。

未確認裏話がある。

dbx162SLが来た時、いつものように、スタジオにある全コンプを卓に立ち上げて、サウンドを比較した時の事。
162SLと、そっくりのサウンドを持つものがあった。・・・・・・MDX2000だ。

勿論、音質には差がある。そっくりだったのは、コンプの掛かり方だ。ほぼ同じといっていい。

噂を思い出した。かつて、ベリンガーは、dbxのVCAをパクってコンプを作っていたと言う噂を。
そして、訴えられ、敗訴したと。

VCAとは、コンプの心臓部だ。MDX2000の音が、パクった事を証明していた。

当然だが、現在のベリンガーのコンプの音は全く違う。

そんなこともあり、ちょっと複雑だが、我が社への貢献度は計り知れないのが、MDX2000だ。

しかし、コンプを知らない人に、コンプのサウンドを説明する事ほど難しいものはない。
特に、今どきの、いきなりDAWから入る若者たちにとっては、 かなりの難関だと思う。
(コンパクトエフェクターを持っている人は、そこから始めると分かりやすい。掛かりがエグイからね。)

が、これほどサウンド全体に影響ある機材もない。がんばって体得して下さい。